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『妹びらいざー』感想

目次


はじめに


 ちゃすちゃす✋
 どーも、永澄拓夢です。

 てなわけで、今回の感想対象作品はこちら!

『妹びらいざー』


 数年前にDLsiteのセールで購入しました。批評空間では『抜きゲー』に分類されていますが、それなりのボリュームですし、ルート分岐もある模様。シナリオもそれなりのモノが用意されている気がしますね。個人的には性癖に合うこと間違いなしなので期待しております。

 というワケで、さぁ蓋を開けますわよ!

 ※ 本記事は大部分が”酷評”となっております。ご気分を害される可能性がありますので、ご注意ください。











あらすじ


 探し物はなんですか♪ 見つけ難いものですか♪
 いいえ、“ソレ” は意外な程近くにありました。

 俺には妹がいる。 名前は 咲姫 (さき)。見た目かわいくて、勉強もできて、スポーツもできる完璧な妹。
 兄妹仲は悪くはない。 いや、良くもないが、極めて普通。普通にキモがられたり、普通に 「勝手に部屋に入ってこないでよね」 とか言われる。まあ、別にそんなことはどうでもよかった。
 別に俺は妹コンとかではないのだし、向こうも向こうで、別に兄コンとかではないはずだし。
 そう、思っていた――
 きっと、普通に誰か他人と恋愛していくものだと思っていた。 例えば近所に住む 泉美さん とか。
 幼少の頃からの関係だ。 気心も知れているし、わりと昔から可愛がられているようにも思う。
 はたまた、泉美さんの妹の 湖ちゃん とか。 こちらも同じく、幼少の頃からの関係だ。
 ちょっと無口でボーッとしたところはあるけど、懐かれている気はする。 いや、流石に○学生はマズいか……。
 はたまた、妹の友達の 唯ちゃん? ちょっと勝気でキツそうだけど、そんなところもかわいいか?
 まあ、きっとそんな誰かと…… なんて思っていたけど、どうやら違っていたようだ。
 決定的な何かが足りなかった。 股間的にも、精神的にも…… 誰にも満たすことができなさそうだった。

 引用元

所感


 ちょっとさすがにこれは……自分との相性が最悪の作品でした。
 前提として土台に敷かれている思想からして、私の思想とは相反するモノだったと言いますか、その思想を「そういうもの」と認めるのも憚られるほどに水と油だったと言いますか……。
 加えて、不快感を抱かせるキャラクターが多かった点でもげんなりです。ここまで不快なキャラクターに仕上げられている意図も分かりませんでしたしね……。

 ちなみに私は、よほどのことが無い限りは作品を完走する人間です。お金が勿体ないですし、やり遂げない限りは何も言う資格がありませんからね。そのため本作も投げ出さずに完走しました。

 本作についてはむしろ、オススメ作品として挙げたくなりました。私の身近にいる方々が本作をプレイしたら、一体どのような感想を抱くのか……。私、気になります!

~以下ネタバレ有~











各ルート感想


 ※ヒロイン毎のルート分岐は存在しましたが、今回は省きます。

総評


●シナリオについて
 個人的な感情を吐露させていただけるなら、正直嫌いな作品です。プラスな要素も少しばかりはありますが、その反面マイナス要素が多すぎる。

 良かった点としては、2点挙げられます。
 1点目は、『エロさは一級品だった点』です。普段の私は、滅多にエロゲで興奮することがありません。そんな私が、本作ではほぼ全てのシーンで興奮させられました。いくら性癖に合っていたとはいえ、このレベルは私にとって革命です。そのため、この点は評価したいと思いました。
 2点目は、『血縁関係者との恋愛についての考慮や葛藤が存在した点』です。本作の根幹には『実妹への性的興奮』が問題として顕在しているワケですが、それに伴って本作ではちゃんと『実妹との関係性に伴う社会からの風当たり』が考慮されています。まぁ、解決された否かは別の話ですが……少なくとも考慮しただけマシという感じです。エロゲでは度々、血の繋がった恋愛関係であるにも関わらずその辺の問題が無視されているシナリオが散見されますからね。個人的には考慮してくれただけ好印象です。

 さて、問題はここから。
 不満点は、そうですね……2点挙げましょうか。
 1点目としては、『意味も無く不快なキャラクターが多すぎる点』が挙げられます。本作のキャラクターはほぼ全員バカかクズなのかと思うほどでした。しかも、あろうことか最も不快だったキャラクターが、ヒロインの内の一人────真嶋唯ですからね。登場頻度もさることながら、始終イライラさせられました(詳細は<キャラクターについて>の方で記述します)。別に不快なキャラクターを出すななどと横暴なことを言うつもりは無いんですよ。不快なキャラクターにするならするで、そこに意味が欲しいんですよ。これ、『いきなりあなたに恋してる』の感想記事でも書いた気がしますね。ネタバレになるので詳細は書きませんが、要は不快キャラを意図的に作り出すなら作り出すで『WHITE ALBUM 2』のキャラクターや『サクラノ詩』の長山香奈のようであって欲しいという話です。『嫌いだけど理解は出来るキャラクター』であって欲しいというか……。……まぁ、これはあくまでも意図的に不快なキャラクターを作り出していた場合にのみ通用する理屈なんですけどね。本作の不快なキャラクターが意図せずそうなってしまっていたのであれば、どうしようもありません。まさしく”私には合わなかった”ということになるのでしょう。
 2点目としては、『主人公の扱いがあまりにも酷い点』が挙げられます。少し1点目にも通じますね。本作の主人公、確かに性癖は少々ズレていますが、別段何かしら悪いことをしていたキャラクターでは無いんですよね。それにも関わらず主人公は、優秀な実妹と比較されて「釣り合わない」と馬鹿にされ、悪友からは見たくもないAVを押し付けられた上に教師からはそれについて叱られ、ヒロインと話をしていただけであらぬ噂を広められて犯罪者のような扱いを受け、生理現象ですら許されることなく暴力の対象となる等々……彼を取り巻く環境はあまりにも酷いモノでした。確かに主人公は吃り癖や独り言癖、流され癖があり、また曖昧な物言いが勘違いを生むこともあります。その点は主人公の欠点ですが、それはそれとしてそれだけで主人公の扱いがこんなにも酷いことになるか?と。むしろ周囲の人間がほぼ全員自身の無知蒙昧を棚に上げているだけじゃないかと。これもイライラの要因となりました。  んで、上記2点って別にコンセプトやテーマ的に必要な要素では無いんですよね。ライター的には日常シーンの抑揚のために使用していた手法なのかもしれませんが、逆効果であるとしか……。まぁ、あくまでもこういう要素(展開手法)に不満を抱いたというのは私個人の価値観によるものなので、絶対的に間違いだとは言えません。しかし、それはそれとして、果たしてこういう要素を望むユーザーはどれほどいるのでしょうか。気になるところですね。

 他にも不満点はいくつかありますが、一先ずはここまでにしておこうかと。
 『そもそもの土台として「ズレた性癖は淘汰されるべき(=ズレた性癖は犯罪者予備軍)」的な思想が敷かれている点』とか『結末がぶん投げな点』とかは興が乗ったら書きます。……正直本作の感想記述に時間かけたくないので……。

●キャラクターについて
■『平木 丈』について。主人公。ズレた性癖に悩む少年。
 酷い環境に身を置いているが故にひたすら可哀想なキャラクターです。その上、彼自身が素で『優しさ』と『自己犠牲』を履き違えている点が何とも痛ましい。彼は自分がサンドバックであることを受け入れてしまっているワケです。何ともなぁ……。
 ただ、彼にイライラする点が無かったかと問われればそうでもありません。吃りと曖昧な物言いで意思疎通が先送り(グダグダ)になる点や、なんだかんだ性欲の自制が効かずに流れに身を任せてしまう点は欠点だと思いました。前者が如実だったのは湖√でしょうね。湖ほど物分かりが良ければ、湖ほどの年齢の娘と関係を持つことのリスクをしっかりと説明してあげれば事は収まったハズなのに、「ああ、ダメだよ……。ダメなんだよ」みたいな曖昧なことしか言わないし、なんなら湖が「なぜですか?」とまで訊いているのに明言しないしで、本当にコイツなんなんだろうと思いましたね。独白するくらいなら明言すればいいのにと。普段は余分に独り言を呟くくせに、肝心なことは言わないんですよね。何なんでしょうね。

■『平木 咲姫』について。主人公の実妹。ズレた性癖に悩む少女。
 わりかしまともでそれなりに道理を通す場面も多かったような気がします。その点は好印象ですね。ただ、だからこそ時折見られた情緒不安定さが何とも惜しいなと。基本的には主人公を信用する一面を見せているのに、なんで悪友たちが流したあの噂は簡単に信じたんでしょうね。

■『真嶋 唯』について。咲姫の親友。水泳部員。
 個人的にエロゲ至上最も嫌いなキャラクターとなりました。あまりにも嫌いな要素が凝縮されているキャラクターです。
 外野でありながら親友の家庭環境にガッツリと口を出す傲慢さ。親友の肉親を平気で罵倒し暴力を振るう非常識さ。偏見と勘違いで何度も主人公を犯罪者扱いする無知蒙昧さ。常に自らの価値観でしか物事を測らない視野の狭さ。勃起という生理現象すら犯罪のように扱うくせして自身は理不尽な暴行(=犯罪)を行い続ける自己矛盾。謝りはすれど改善はせずに何度も同じ失態を犯す学習能力の無さ。何もかもが嫌いです。でもエロかった。

■『七瀬 湖』について。泉美の妹。S学生。
 おそらく最も大人びていたキャラクターでは無いでしょうか。好奇心的な部分では年相応さも見られましたが、物分かりの良さは本作一かと。
 ただ、だからこそというか、ビジュアル的な観点からもそうですが、彼女がS学生という設定がほぼ全く活きていなかったように感じました。彼女のルートのラストでも結局、S学生と恋仲になることに関する問題等は掘り下げられませんでしたからね。

■『七瀬 泉美』について。湖の姉。主人公の幼馴染。
 本作中最も無難で安定感のあるヒロインだったように感じます。良心ですね。
 貧乳お姉さんはやはり良い。
 ルートの結末自体は本作中最も雑でしたけどね……。ぶん投げて終わりどころの騒ぎではないというか……。

■『モブ』について。無知蒙昧の集合体。
 特に悪友3人が酷いですね。主人公の家庭環境を崩壊一歩手前まで導くきっかけを作ったり、主人公の信用を失墜させるような行動ばかりをしていたりするくせに、まるで反省するそぶりを見せない。懲りずに最後まで主人公を貶めようとする。これ、主人公が鈍感なだけで実は悪意を持った虐めだったりするんじゃないでしょうか?

おわりに


 『妹びらいざー』感想、いかかだったでしょうか。

 ご気分を害された方がいらっしゃいましたら申し訳ございません。元々、本記事の作成は行わない予定だったのですが、さすがに気持ちを吐き出したかったので作成しました。

 次にプレイする作品は、『音無き世界その代わり』を予定しております。

 それでは✋