目次
はじめに
ちゃすちゃす✋
どーも、永澄拓夢です。
てなわけで、今回の感想対象作品はこちら!
『猫撫ディストーション Exodus』
商業ブランド『WHITESOFT』さんから2012年2月に発売された作品です。
位置付けとしては先日私もプレイした『猫撫ディストーション』の続編となっている模様。個人的にはFDではなく続編である点が非常に気になっています。無印の結末を考えると到底続編が作れるような作品では無かったような気がするのですが、一体どのような内容になっているのでしょうか。
というワケで、さぁ蓋を開けますわよ!
あらすじ
「俺たちってほら……何て言うか、平面的な感じがしないか?」
「絵に描いてみたいって言うか……2次元的なって言うか……」
「そんな、存在してないみたいな存在だからこそ、幸せなんだろうな」
樹たち家族がたどり着いた優しい楽園────
『自律システム』────
目に見えない超越的な存在に支配され、無意識下でコントロールされている。
法、慣習、ミーム、それらの相対的な意志がシステムの正体だとしたら、その意志と会話することはできないだろうか?
樹たちを逃がすまいとする『世界』。
その世界の意志を挫くために災いを呼び寄せようとする樹たち。
家族とは?
世界とは?
それはシステムとの闘い────
引用元
所感
『猫撫ディストーション Exodus』
— 永澄拓夢(エスタク) (@kingtakumu530) 2024年4月7日
完走
『猫撫ディストーション(以下無印)』の続編であり補完作品。
無印で示された結末・結論は個人的に合わなかったのだが、本作で示された結末・結論は無印よりも遥かに呑み込みやすかったため相対的に満足度が高い。
展開も無印より私好みであったため面白かった。 https://t.co/aFZbNZiWgl
~以下ネタバレ有~
各ルート感想
本編と各ヒロインのオムニバスストーリーが存在しますが、今回はそれぞれについての感想は記述しません。
気が向いたらいつの間にかシレっと書いているかも。
総評
無印の結論が肌に合わなかった身としては、続編である程度吞み込みやすい結論に帰結させてくれた点で高く評価したい気持ちです。
問題に対する『逃げ』の姿勢が強く、且つ結論としてそれっぽい理屈を並べ立ててはいるものの説得力が伴っていなかった無印。それに対して本作───特にExodus本編では、ある程度の説得力を有した上で無印から引き継いだ『家族のカタチ』と『主人公────七枷樹の願い』を踏襲した結論・結末へ帰結していたと解釈出来ました。説得力については、終盤において曲がりなりにも樹が『琴子の消失』を受け入れた上で前を向いていた点が個人的には大きかったです。これは無印でも存在した琴子のセリフにもある考え方ですが、七枷家の抱える問題は七枷家の面々が琴子の死と向き合って初めて真に解決するものと私も考えています。しかし無印では残念ながらそれが果たされなかった。結論だけ見れば果たされたようにも見えた気がしますが、それでもグランド√(琴子√)ではその後改めて実際に琴子を失う状況に陥っていないため些か説得力に欠けていたんですね。それに対し、Exodus本編では終盤に琴子の存在が七枷家からすっぽりと抜け落ちる状況がちゃんと描写されていました。勿論樹たちの認識上では琴子という家族は最初から存在しなかったことになっており、樹は別世界の記録を読むことで琴子という存在が本当にいた可能性と得も言われぬ寂寥感を認知することになるので厳密には『琴子の死』に向き合えたとは言えませんが、少なくとも琴子の存在とその消失を考慮した上でそれでも前を向こうとする姿勢が描写されていたあたり、無印よりは説得力があったのかなと感じた次第です。その後、結局琴子は存在をギズモのような猫人間に変えて再び七枷家に帰ってきますが、これに関しては『家族のカタチ(=森のように再生するもの)』という無印から引き継がれたポジティブな思想に基づくモノだと考えられるのでべつに良いのかなと思っていたり。
仲違いした元の家族と直接向き合う展開が結局Exodus本編になかった点は唯一の不満点ですが、まぁそれはオムニバスストーリーで回収されていたので帳消しになるのかなと思っています。オムニバスストーリーについては特に語る気はありませんが、結衣のエピソードがとても良かったとだけ。無印における『永遠』への思想から地続きにさらなる成長を見せてくれた点は個人的にかなり好ましかったです。
展開についても無印より遥かに面白く読むことが出来ました。特にExodus本編はかなり没入出来ていたように感じます。やはり無印である程度の必要知識が身に付いていたことと本作における必要知識や状況の解説が無印よりも充実していた点がより没入度を高めてくれた要因として大きかったのでしょうね。スムーズに読めることは没入する上でとても大切。また、シンプルな話、展開自体が私好みであった点も没入出来た要因の一つだと考えられます。Exodus本編では無印には無かった『敵対者の登場』というイベントが発生します。敵対者の存在は物語を盛り上げる上で非常に大きなピースであって、それが別世界の自分ともなれば尚更でしょう。敵対者が存在するからこそ物語に緊迫感と抑揚が生まれ、そしてその影響で
樹の能動性がより育まれたからこそ私はExodus本編の展開を楽しめたのだと解釈しています。
おわりに
『猫撫ディストーション Exodus』感想、いかかだったでしょうか。
やはり肌に合わないかもしれないと思うものでも忌避せず触れてみる姿勢は大切ですね。
次にプレイする作品は、『D.C.III R X-rated』を予定しております。
それでは✋