目次
はじめに
ちゃすちゃす✋
どーも、永澄拓夢です。
てなわけで、今回の感想対象作品はこちら!
『妹アプリケーション!』
同人サークル『3 on 10』さんから2012年12月に世に送り出された作品です。
当時流行り始めだったスマートフォンをメインの題材として落とし込んでいるようですね。ちなみに私もスマートフォンを初めて入手したのは2012年でした。懐かしいなぁ。
というワケで、さぁ蓋を開けますわよ!
※ 本感想記事は完走当初執筆するつもりではありませんでしたが、完走から数日経って改めて本作を思い返した際にふと書きたくなったので書きました。そこまで掘り下げないのでざっくりした内容にはなりますがご容赦ください。
あらすじ
――流行と聞けば、何でも、すぐに飛びついてしまう。
神田御茶ノ水の妹である、日暮里の奇行のひとつである。
今日も今日とて、スマートフォンを買ってきた日暮里。
友達の間で流行の、とあるアプリがやりたいらしい。
それは、エイリアンを育てるシミュレーション系のアプリ。
……だった、はずが、日暮里はスマホに吸い込まれてしまう。
妹の機械音痴はついにスマホに吸い込まれるまでになったかと
妙に感心した御茶ノ水は、何の疑問も抱かず、眠った。
――その日、その夜、御茶ノ水の夢の中での光景は、
イカ型エイリアンの触手にもてあそばれる日暮里の姿だった。
「モルモル。妹アプリケーションという、これこそが。モルモル」
イカが、喋った。
イカのくせに生意気だ、と御茶ノ水は思った。
引用元
所感
『妹アプリケーション!』
— 永澄拓夢(エスタク) (@kingtakumu530) 2024年1月19日
完走
面白かった。
3on10さんお得意のコメディ調な会話劇は健在でありながら世界観設定も興味深い。
どのキャラの視点で物語を観るかによって受ける印象が全く変わるという構成も新鮮で良かった。
ゴルちゃん√が好き。
それと、モルヴェットがとても可愛いと思った。 https://t.co/VISS4SXcqo
~以下ネタバレ有~
総評
無視できない粗は散見されるものの、それでも個人的には本作への『好き』という気持ちの方が勝りました。
本作のような作品をプレイする度に、改めて自分が細部にまで神経を張り巡らせて作品を評価するタイプではなく直感に従って作品を評価するタイプであることを思い知らされますね。
本作では兄妹による結婚・近親相〇の流行により人類が滅亡の一途を辿るという設定に基づき、それを阻止するために未来から人類生存者の刺客が主人公────御茶ノ水と主人公の妹────日暮里の仲を引き裂きに来るというストーリーが展開されますが、あらすじをロクに読まずにプレイし始めた身としてはまさかここまでスケールの大きな物語に発展するとは思いもしませんでした。言ってしまえば、本作において刺客が付きつけてくるのは「『人間という種の存続』か『愛する人と添い遂げることによる個人の幸福』かを選べ」という命題ですからね。ただ、このスケールの大きさが個人的に本作を好きになった要因だったりします。より厳密に言うと、本命題に対する本作(或いはキャラクターたち)の結論が好みなのですよね。本作ではTrue endと称せるエンディングが2種類(日暮里ENDとゴルちゃんEND)存在していますが、その両方が「『人間という種の存続』か『愛する人と添い遂げることによる個人の幸福』かを選べ」という命題に対して後者を選択していると解釈できます。私はこのように、『自らの幸福』と『集団の幸福』を天秤にかけ、たとえ世界を敵に回すとしても『自らの幸福』を選択する物語が好きです。なぜならその選択は、生物の中でも『人間』という種族が特別に持つ『弱さ』の象徴であり、同時に『強さ』の証明でもあると考えているから。そして、その選択こそが『人間らしさ』と考えているから。本作では他ならぬ未来からの刺客────ゴルちゃんがその選択をします。人類の衰退に対して明確なイメージや現実味を持てていないであろう御茶ノ水や日暮里が楽観的にその選択を行っても感動は薄いのですが、人類衰退の影響をモロに受け、なんなら人類衰退を解決するべく産み出されたと言っても過言ではないほどに当事者のゴルちゃんがその選択を行うことで、より私の心に刺さる物語へと昇華されていたように感じられました。
そういう意味でも、本作では特にゴルちゃんに感情移入してしまいますね。そのせいか、個人的にはゴルちゃんと生活を共にしてきたであろうモルヴェットがゴルちゃんの意志を汲んでくれた点にも少し感動してしまいました。
これは余談ですが、本作は社会問題を設定上誇張して取り扱っているという点で後作『変態な俺は紳士にならざるを得ない』と共通していますよね。私は3on10作品の中でも『変態な俺は紳士にならざるを得ない』がトップクラスに好きなのですが、そういった点からも私は3on10作品の中で特に『社会問題を独特の世界観に落とし込んだ作品』が好みなのだろうなと自己分析しています(もちろん3on10さんの持ち味であるコメディも好きですが)。今後も本作や『変態な俺は紳士にならざるを得ない』のように、何かしら社会問題を上手く世界観に落とし込んだ作品が3on10さんからリリースされると嬉しいですね。
おわりに
『妹アプリケーション!』感想、いかかだったでしょうか。
マスコットキャラクターとしてのモルヴェットがめちゃくちゃ私の好みに刺さったんですよね。相棒としてモルヴェットが欲しい……。というか、今からでもモルヴェットのグッズとか出ませんか……? ぬいぐるみとか欲しい。
次にプレイする作品は、『わーすと☆コンタクト』を予定しております。
それでは✋