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『アメトカゲ』感想

目次


はじめに


 ちゃすちゃす✋
 どーも、永澄拓夢です。

 てなわけで、今回の感想対象作品はこちら!

『アメトカゲ』
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 『パコられ』や『ニルハナ』で有名な同人ブランド『ゆにっとちーず』が、2014年に世に送り出した作品です。現在はフリーゲームとなっており、無料でDLすることが出来ます。
 本ブランドの作品は、わりかしメンタルにクると聞き及んでおります。個人的にはそれなりの覚悟を以て臨む所存です。

 というワケで、さぁ蓋を開けますわよ!

 (今回の感想は相当あっさりしたものになっております)

あらすじ


 ────この恋慕が、腐ってしまう前に。

 双子の兄妹、ホマレとスイ。
 離れ離れになった二人は、夢のはざまで再会する。

 雨の降りしきる中、ふたつの魂は、
 冥府の果てへとその歩を進めていく────。
 引用元

所感


 うーん、可もなく不可も無しといったところでしょうかね。
 会話の内容は興味深いものだったんですけどね。

 苦しい境遇の双子(兄妹)が、互いに辿ってきた人生を振り返って語るという内容。
 『始まりから終わりまでを綴った物語』というよりは、『この双子の人生という物語のほんの一端を切り抜いた話』という印象。オチもオチでしたしね。

 苦しい境遇における人生観という要素がほぼ100%を占める作品なので、そういうのが好きな人には勧められる一品です。
 プレイ時間も1時間~2時間くらいなのでぜひ。
 インストールは以下のリンクから。
u-cheese.sakura.ne.jp

~以下ネタバレ有~











総評


●シナリオについて
 テーマ的には好きな部類でした。しかし、基本的にはとある可哀想な兄妹の『これまでの人生』と『感じてきたこと』が語られるだけのお話なので、物語性はほぼ皆無。故にこそ、特段面白さを感じたかと言われればそうではないという感じ。
 会話内容の興味深さに目を向けるべき作品だったのでしょうね。

 暴力と性欲でしか物事を考えられない歪んだ親、異性の双子というレッテルに対して下劣な興味を向けてくるクラスメイト、その他見て見ぬフリの他者。現実のあらゆる要素から悪意を向けられる双子が、黄泉への道中でこれまでを語り合う……。
 ある種の走馬灯ですよね。
 結末は決まっていて。奇跡など無くて。哀しい双子は最期まで哀しいままに……。
 そういう救いの無い物語。

 最初は騙されましたが、自殺したのはスイではなくホマレだったようですね。
 然してスイは現世に残されるワケですが……。ホマレを比較対象とすることで自身の輪郭を認識して生きてきたスイにとって、この敵だらけの現世で独りで生きるというのは死刑宣告にも等しい事実でしょう。
 考察するに、後追い自殺をするのだろうな、と。
 良いか悪いかは別として、釈然とはしませんね……。

 まぁ、しかし。世界の中で、彼らにとっての味方は常に互いだった。それでも亀裂が入った。軋轢は避けられなかった。だからこそ、この結末へと至った。
 原因はなんだったのかを考えると、行き着く結論は作中でも出ている通り、互いの違いが段々と浮き彫りになったこと。それは、互いを生きるための支えとしてきた二人の中にネガティブな感情を生む。ネガティブな感情はやがて無視出来なくなる。
 それならばいずれにせよ、彼らの生き方では詰んでいたのだろうなとも考えられます。考えれば考えるほどに哀しさが募りますね。

●キャラクターについて
 『ホマレ』について。双子の兄の方。自殺した片割れ。
 殴られ、怒鳴られ、それでも自由であり続けようとしたのはスイのため。話の中ではのらりくらりとやっていた様子に見受けられましたが、苦しい境遇の中でも陰ながら頑張っていたということは感じられました。

 『スイ』について。双子の妹の方。残された片割れ。
 ホマレを比較対象として自身の輪郭を形作ってきた以上、今後生きていけるのかは心配ですね。
 後追い自殺するんだろうなぁ、と。

おわりに


 『アメトカゲ』感想、いかかだったでしょうか。

 別段多く感じることもなかったので、あっさりした感想にはなってしまいました……。

 次にプレイする作品は……寄り道ばかりしていないで、そろそろちゃんと『しゅぷれ~むキャンディ』に戻りましょうかね……。
 まぁ仮に寄り道したとすれば、『Session ────真実嫌いの探偵は、』・『贖罪と命』・『夏のさざんか』の三択になるかと思われます。
 それ以外だったら、また追記しておくんで……。

 それでは✋