目次
はじめに
ちゃすちゃす✋
どーも、永澄拓夢です。
てなわけで、今回の感想対象作品はこちら!
『うさみみボウケンタン』
当ブログでもお馴染みの同人サークル『Loser/s』さんが2018年に世に送り出したRPG作品です。
過去作の所謂『Sessionsシリーズ』とはまた異なる雰囲気ですが、はたしてどのような内容となっているのでしょうか。
というワケで、さぁ蓋を開けますわよ!
あらすじ
唐突に世界を救うことになった一般人の【主人公】。
精霊【うなさか】と共に世界に蔓延するアクイを止めるために旅に出ることに!
うさみみの精霊とイチャイチャしながら旅をしよう!
引用元
所感
非常に面白かったです。素晴らしい。
最高にアツくて、最高に泣けます。
序盤~中盤はコミカル&エロチックで楽しく、終盤になるにつれてアツく感動的な物語になっていく作品でした。
終盤なんて、アツくなりすぎて主人公のセリフを実際に声に出したり、泣きながら戦ったりしていましたからね。傍から見たらヤベー奴と化してしまう程に没入出来ましたよ。
本作、初見でも充分に楽しめる作品となっておりますが、一応過去作ネタもそれなりに本筋に絡んできます。そのため、より楽しみたいという方は、過去作である『強盗、娼婦のヒモになる↑↓』や『Sessions!! ────真実嫌いの探偵は、』、『Sessions!! ~少女を監禁する事情~』をプレイしてから本作をプレイしてみてくださいね。
~以下ネタバレ有~
総評
●シナリオについて
非常に面白かったです。素晴らしい。
シナリオの良さは言わずもがな、RPGとしても非常に楽しめる作品となっておりました。
個人的にはレベリング形式のRPGではなく、クイズ形式で戦う一風変わったRPGだった点が嬉しかったですね。レベリングや周回って虚無すぎて嫌いなので。
いや、本当に没入度の高いシナリオだったなぁ、と。
まず、まさかバトル中に主人公のセリフを実際に声に出すなんてことがあるとは思いもしませんでした。ましてや、プレイ前に本作に対して抱いていた印象は『うさみみの女の子にセクハラしながら冒険するだけのコミカルな作品』なワケですから、尚更です。
主にグラブラ戦ですね。アレは、バトル前の展開やバトルシステムもアツさに拍車をかける要因となっていたのかなと思います。タイピングによるバトルシステムは本当に斬新で楽しかった。臨場感もありましたし、だからこそアツくなれたのかな、と。正直、このレベルでノベルゲーム以外にアツくなったのは10年ぶりです。前回が『GOD EATER BURST』のハンニバル侵食種戦だったと記憶しています。分かる人には分かるハズ。
王様戦は打って変わって感動的でした。王様の正気を取り戻すために"王様の仲間"の『記憶と言葉』を使って戦うパートなんて、涙を流しながらプレイしていましたからね。
アクイ戦も、主人公の選択は素晴らしいものでした。それはそうと、最終戦がそれまでのバトルで出題された問題の総復習って仕様もめちゃくちゃ良かったです。まさに最終戦って感じで。
あ、ちなみに終盤のことばかり語っていますが、序盤~中盤も充分に楽しめました。そもそも世界観自体がありきたりなファンタジーで無い点も評価点ですね。やはりそこはさすがのLoser/sさん。世界観の作り方が上手い。
また、エロシーンに関しても、シチュエーションは充実していましたね。マニアックな性癖も多かったのですが、正直ほぼ全て私の性癖に合致するモノだったので驚きました。ありがたや、ありがたや……。
さて、では、本作の『裏の側面』について。
たしかに本作は、王様のバックアップだった主人公と精霊うなさかによる冒険譚です。しかし、これはあくまでも表の側面に過ぎません。過去作プレイヤーの方々はお気づきになられたのではないでしょうか? そう、本作は『主人公とうなさかの冒険譚』である反面、『遺伝子αを持つ不幸な人間と天使の物語の最終章』でもあるんです。つまり、『Sessions!! ~少女を監禁する事情~』に収録されていたエピソードの一つである『HAPPYEND STORY』の続きなんですよ、本作。
『HAPPYEND STORY』を本作プレイ前に読んでいたからこそ、天使の行く末に涙しました。これがあの、何千年もただ世界中の人々を愛し、世界中の人々が幸福になることを願い続けた天使の、長い長い旅の終着点なのかと。アクイが取り払われ、争いの無くなったあの世界は、はたして天使にHAPPYENDを齎す世界だったのでしょうか。それとも、アクイを持った人間すらも愛していたからこそ、物語終盤に死後の身でありながら主人公の力となってくれたのでしょうか。……いや。違いますね。ただただ彼女は望んでいたのでしょう。『主人公』と『王様』の幸福を。
●キャラクターについて
■『主人公』について。王様のバックアップ。
セクハラしまくるド変態だったとはいえ、終盤はセリフや選択がかっこよかったです。こうやって自分の意志で突き進んでいく主人公がやはり最も好きな系統なんですよね。
兎坂とのその後が気になります。
それはそうと、王様も含めて彼は『ジン』の生まれ変わりなんですよね……。そう考えるとEDだったジンとは正反対でなんだか極端だなぁと可笑しくなりました。
■『うなさか』について。ヒロイン。主人公の相棒であり、セクハラ被害者。
セクハラされながらも主人公に惚れていく過程が非常に分かりやすかったです。
ただのヒロインに留まらず、相棒感が強くて良き良きでした。『ストライク・ザ・ブラッド』のメインヒロインを思い出しましたね。
最後の別れはけっこうあっさりでしたが、逆にあそこでそう振る舞えるのが本当に強いです。
ただこれ、主人公視点では兎坂との出会いによってハッピーエンドになりますが、彼女視点だとビターエンドですよね。実際、おねだりの『大人のうなさか』で数年後の彼女があんなにも思いの丈をぶつけてきましたし。彼女もまた報われてほしいです。
現代における兎坂はうなさかのオリジナルなのか、はたまたバナナオイルあたりが何かしてくれたのか。
■『王様』について。主人公のオリジナル。遺伝子α保持者。世界を改変し、争いの無い世界を作った者。
世界中の人々を救うために自ら狂うことを選んだという点で、凄まじい精神の持ち主だなと感じました。
王様戦は泣きながらプレイしたと上述しましたが、ホント「もういいから報われてくれ」って気分でした。
■『バナナ・オイル』について。過去作における『獅童 宗谷』。
獅童であることが分かっているからこそ、やたらとお調子者になっていて笑えました。いや、元から多少のコミカルさは持ち合わせていましたが。
ただ、言葉の端々から寂寥感は覚えましたね。最後、天使の墓の前でのセリフには思わず涙ぐんでしまいました。あの世で親友に語ってやるために人生を楽しんでいる獅童が、こんなにも長い間死ねないというのは、ある種の皮肉でしょうね。
それはそうと、異世界からどのようにして獅童はこの世界に足を踏み入れたのでしょうか。
■『ナイア』について。ナイアルラトホテップの亜種。
途方もなく長い時間、王様を見守り続けた彼女。肩の荷が下りたような最期や夢幻の草原での語り口調からは、その背景の重さを感じずにはいられませんでした。
■『グラブラ』について。王様の”友達”であり続けた女性。
こういうこざっぱりした女性キャラクターは好きですね。
バトル、一番アツかったです。
■『イロハ』について。王様に忠義を尽くす家臣。
正直あまり印象は残っていないんですよねぇ。可愛かったです。
■『サキュバス』について。村中の童貞を奪う魔性の女性。
王様の関係者だったんですねぇ。予想だにしていませんでした。
子供の頃はあんなにも無邪気だったとは……。子供がどう育つかは分からないものですね。
とりあえず私の童貞も奪って欲しい。
●テーマ・メッセージについて
■「知らないことばかりだからこそ、いつまでも旅を続ける」
うなさかがアクイに放ったセリフです。
いろんなことを知るために、人間は日々各々の『旅』を続けているんですよね。
『冒険譚』を銘打った作品として相応しいメッセージです。
■「自分に出来ることは、自分のやりたいことを明確に見定めることだけ」
争いに関する王様からの問いかけに対する主人公の返答です。
主人公のセリフに尽きるので、一連の会話のスクショを添付しておきますね。
ちょっと補足
多分私、全ての要素を網羅できていないんですよね。
『腕時計』、『ねじ』、『ドライバー』の使い道と、無人島の銅像の謎が分かる方、コメントくださいな。
おわりに
『うさみみボウケンタン』感想、いかかだったでしょうか。
ちなみに最後にバナナオイルが言っていた『別の宇宙へ行く研究』は『MECHANICA』への伏線なんですかね?
次にプレイする作品は、『MECHANICA -うさぎと水星のバラッド-』を予定しております。
それでは✋