BRAIN➡WORLD

ノベルゲーム感想と思考出力

『死者20億』感想

目次


はじめに


 ちゃすちゃす✋
 どーも、永澄拓夢です。

 てなわけで、今回の感想対象作品はこちら!

『死者20億』


 同人サークル『虹猫』さんによって2022年12月に公開された作品です。本作は2022年の冬コミ(C101)でもパッケージ版が頒布されました。私が冬コミでブースを訪れた際には既に捌けてしまっていて残っていませんでしたが……。パッケージ版を購入出来なかった身としては、フリーゲームとして公開していただけたことにひたすら感謝ですね。

 というワケで、さぁ蓋を開けますわよ!

あらすじ


 20億の人を殺し、40億に恨まれた女の子の話

 引用元

所感




~以下ネタバレ有~











総評


●シナリオについて
 面白かったか否かと問われると何とも言えませんが、私は好きな部類の作品でした。

 本作は、読んであらすじの如く。ただただ20億人を殺し、40億人に恨まれた少女とその周囲の物語です。
 重要人物であろうと容赦なく死んでいく救いの無いシナリオには、『1人殺すのも2人殺すのも同じことだと思うから』や『Delete』でも見られたような虹猫作品らしさを感じることが出来ました。ただその上で、本作は『1人殺すのも2人殺すのも同じことだと思うから』や『Delete』では見ることの叶わなかった”釈然とする終わり方”で締め括られていました。所感でも記述しましたが、私はこの点を評価しています。救いの無い展開の先にある前向きな意志であるからこそ、尚のこと強い輝きを放つものなのだと感じました。

 本作のシナリオにおいては、本質的に「結果がすべて」という考え方を否定しつつも、人間的には「結果がすべて」という考え方が正しいということをありありと描写していた点が印象深かったですね。本作では大きく分けて、『完全記憶薬という致死率100%の薬を作って発表してしまった研究員および関係者』と『それら人物と全く無関係のその他大勢』の間に明確な線引きがされています。前者は結果以外にも内情や裏にあった研究員の想いを考慮しますが、後者はそんなものはお構いなしです。現実社会においても、そのような構図はいくらでも散見されます。本作で描写された状況はかなり極端な例であるため、結果以外が考慮されたのだとしても被害者たちの行動はほぼ変わらないのかもしれませんが、『考慮する』というステップがあるか否かは非常に重要であると私は考えています。とはいえ、人間はしばしば合理性を欠く感情的な生き物。今後の現実社会においても、その他大勢が内情や当事者の想いなどお構いなしに『結果』という情報のみで判断して当事者を裁く流れは変わらないでしょう。故にこそ、本質的には「結果がすべて」という考え方は否定されるべきであるが、人間社会で生きる上では「結果がすべて」なのだと私は本作を通して感じました。

おわりに


 『死者20億』感想、いかかだったでしょうか。

 虹猫作品といえば、『2人殺すのも3人殺すのも同じことだと思うから』の完成も待ち遠しいですね。

 次にプレイする作品は、『さよなら、うつつ』を予定しております。

 それでは✋