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 こちらの一覧は、感想が増える度に順次更新していきます。

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 それでは、以下一覧になります。

(2022/08/09 追記)ブログ開始前にTwitterに投稿していた作品感想へのリンクもまとめました。ただ、ルート毎の感想はあっても作品全体の感想が無かった場合は記載しておりません。



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『RトR』感想

目次


はじめに


 ちゃすちゃす✋
 どーも、永澄拓夢です。

 てなわけで、今回の感想対象作品はこちら!

『RトR』


 同人サークル『虹猫』さんから2024年8月に完成版がリリースされた作品です。虹猫作品ファンである私はもちろん夏コミ(C104)に赴き、作者様から直々にトールケース版を購入させていただきました!
 タイトルイラストからして物々しい雰囲気を醸し出している点から『ひとふた』や『DELETE』の方向性を期待してしまう本作ですが、はたしてどのような物語に仕上がっているのでしょうか。

 というワケで、さぁ蓋を開けますわよ!

あらすじ


 女の子にもてやすい主人公、桜小町の物語。

 引用元

所感




~以下ネタバレ有~











総評


 個人的には面白い作品だと感じました。
 結末が決してハッピーエンドとは言えず、見方によっては投げっぱなしエンドのようにも見えてしまう点で賛否両論分かれる作品ではあるのでしょうが、私の受け取り方ではむしろこのような結末の方が納得できると感じた次第です。

 私が本作に対して面白いと感じた点は大きく分けて2つあります。
 1つ目の面白いと感じた点は所感にも書いた通り、『同じ側面に焦点を当てているハズなのに主観と客観で全くキャラクターの見え方が異なる』という点です。他のキャラクターにもチラホラと当てはまる話ではありますが、最も分かりやすいのは桜小町視点における桜小町自身の言動と、桜吹雪視点における桜小町の言動でしょう。桜小町視点においてはお人好しなところに好感すら持てていたハズの小町の言動が、桜吹雪視点においては悪戯に不幸を振りまく言動のようにも映り、嫌悪感すら覚えたのです。主観者によって全く異なる景色が広がるのは群像劇の醍醐味であるとも考えられるため、それが満たされていたという点で私は面白いと感じました。小町本人視点よりも吹雪視点の方が印象が悪く見えるのもまた本作の面白いところで、小町本人が自身の本質の悪性に気付けないからこそ本作のエンディングへと繋がったのだと思います。ちなみに紅葉楓視点や瑠璃茉莉視点では特に桜小町に対して悪い印象を抱かなかったため、書き分けが巧みだったのだろうなぁと感心するなど。
 2つ目の面白いと感じた点は、『本物語のほぼ全てが登場人物の独善的行動で成り立っている点』です。個人的にはこちらについて言及したくて感想記事をしたためました。まさかまさかとお思いの方、本物語における重要なイベントを思い返してみてください。モブのアリスに対する排他的言動、茉莉のアリスに対する気まぐれな付き合い、アリスの茉莉に対する気持ちの押しつけ、小町の周囲への影響に対して無頓着な八方美人的優しさ、アリスの小町に対する逆恨み、楓と茉莉の抜け駆け、吹雪の救いを求める小町に対する拒絶、等々……。拾い切れていないモノもあるでしょうが、本作のラストシーンの状況は本作に登場した全てのキャラクターによる無自覚独善的な行動が生み出しているのです。私はこのような構成から、本作が現実を生きる私たちにとっての反面教師的な役割を示す作品となり得るのではなかろうかと感じました。作者様はやろうと思えば、小町がループの条件と自身の本質に気付き、ループからの脱却と言動の改善を成し遂げることで本作をハッピーエンドな物語への着地させることも出来たハズなのです。というか、そのような構想も存在したことはエピローグで明言されています。しかしそれをあえてしなかった。そして、そのことを作中の神がユーザーに対して語りかけた。そこに私は意味があると考えています。もちろんエピローグを読む限りでは単に神=シナリオライターさんの気まぐれや嗜好でしかないようにも考えられます。むしろ、過去の虹猫作品を見る限りではそちらの線の方が濃厚とまで言えるでしょう。ただ私はどうしても、本作が「彼女たちはこうなっちゃったけど、君たちは現実世界でどうする?」と問いかけているように受け取ってしまいます。そして、だからこそ無自覚で独善的な行動の行く末にあったBAD ENDがTrue endとしてありありと描かれたことに意味があるのだと解釈してしまうのです。実際のところどうなのかは分かりませんし、やろうと思えば冬コミ(C105)で作者様にお会いした際にぶっちゃけどうだったのかをお訊きすることも可能ではあります。ただ、このような解釈に関して答え合わせをしてしまうのは無粋な気がしてなりません。今のところ私は、私の解釈を大切に胸にしまっておこうと思っています。

 ……ここからは余談も余談です。
 無自覚で独善的な行動に満たされ、かつそれが落とし穴だった本作を気に入った要因としては、私が常日頃から以下のようなことを考えながら生きているからなのでしょう。啓発的な解釈をしてしまったのも、おそらくはこのような世の中に嫌悪感を抱いているからなのかもしれません。



おわりに


 『RトR』感想、いかかだったでしょうか。

 それにしてもパチカスシスターというキャラクター付けはめちゃくちゃ良かった。シスターといえば私は元々武装属性が好みだったのですが、今回新たな好みの属性を開拓することが出来てとても満足です。

 次にプレイする作品は……冬コミに備えて溜まっている同人作品を捌きつつ、『つり乙』を進めていきますかね。

 それでは✋